ギンレイホールで見そびれて、結局TUTAYAのお世話になった。
原作が自虐の詩の業田良家、是枝監督、脇に岩松了というだけで釣られた。
カンヌ映画祭で「ある視点」部門に参加。最近は高崎映画祭で五冠の快挙?らしい。オダギリジョーが受賞の挨拶で「高崎ハムが好きです」と言っていたのが印象的だった。
空気人形は型落ちのダッチワイフ。ある日心を持つ。
持ち主が仕事に出かけた後、出歩きビデオショップでアルバイトを始める。そこの店員と恋に落ちて・・とこれ以上はネタバレか。
ぺ・ドゥナは確かに完璧なキャスティングだ。ほかにこの役をデキルのはと考えたがいないなあ。
繊細で人形っぽくて、身体が美しい。きょとんとした目がカナシミにも抑制を利かせていて素晴らしい。こんな人形なら一体欲しい。
持ち主役の板尾創路も完璧に都会の独居男を表現している。お笑い芸人を超えた気持ち悪さは置くが深い。岩松了はどうしてこんなに巧いのかと思うがしかし、こんな役ばっかりだなあ。大好きな余貴美子がアンチエイジング狂の受付嬢だったり富司純子がボケ老人役で出ていたり・・そういったところは楽しいし好感が持てるが、一方ではやりすぎなところはあるし、皆が演じている都会の孤独みたいなもののメタファーはちょいと浅いような気もする。助演男優賞のオダギリジョーの出てくる場面はちょっと面映い感じだなあ。
この映画の眼目は全体に薄青い感じの映像美。本当の人形とぺ・ドゥナの身体の入れ替わるところのせつなさ。ラブシーンで男に空気を満たされていくときの人形の至福とも苦痛とも言えない表情に尽きると思った。
★★★★☆・・・かな
花片や空気人形棄てられて
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