櫻桃庵はわが弊屋のことです。小さな庭に植えた苗木がいつの間にか大きくなりました。俳句や本や映画や友達のことなんかをぽつぽつ書く日記です。 2007年から2010年までmixiに引っ越していたため更新できておりませんでしたが、此方も少しずつ書いていきます。

2007年4月21日土曜日

吟行 「春の川」

電車に少し乗ると線路に直角に小さな川が流れています。
桜の時期には両岸が満開になりどこまでも続きます。

その桜も散った先日一人で吟行してきました。
吟行とは、まあ遠足のようなもので違うのはそこで見たものや感じたことを俳句にすることです。
日曜画家がスケッチにいくようなものでしょうか。

ジョギングする人、ウォーキングしている老夫婦、子供達・・のどかな春の風景を見ながらのんびりと川を遡上します。
稚鮎が釣れるようで親子連れが歓声を上げています。

対岸で、一人の老人が1M近くもある鯉を釣上げました。
かなりあばれるのをやっと捕まえたと思ったら、老人はしゃがみこみ釣上げた鯉と話を始めました。
「なあ鯉よ、俺とかわってくれないか」
「人間などという不自由なものにはなりとうない」
「まあ。そうじゃろうな・・」

たぶんこんなやり取りの後に老人は鯉の針をはずしてやって軽く頬を三回たたくと、川のほうへ押しやって帰してやりました。
私は岸のこちら側から聞こえるはずのない拍手を少ししてまた歩き始めました。

鋤洗う女を洗う春の川

映画 「トンマッコルへようこそ」

朝鮮戦争末期に戦争のあることも知らない村があった。その村に北と、南とさらに米軍の兵士が鉢合わせして・・・・という設定です。
いわゆるハートウォーミングファンタジーですが、冒頭の戦闘シーンも、脱走兵の葛藤もあり、それなりに厚みのあるストーリーになっています。

平和への訴求と桃源郷への憧れがあって韓国の人たちに受けた理由がわかります。統一への切ない気持ちもあるのでしょうねえ。
ラストにいたる展開はあまり好きなパターンでなく、蝶の使い方なんかが類型的でやや安易に感じましたがこの手の映画に映像の緊張感を求めるのは野暮というものでしょう。

白蝶や兵士の骸から生まる

2007年4月15日日曜日

幻の珈琲!?

ラグタイムの常連の一人にとてもコダワリの人物がいます。私は「青年」と呼んでいます。その青年が先日とても珍しいものを持ってきました。なんと100g7000円もする「幻の珈琲豆」です。
まあ飲んでみようとマスターと3人で試飲すると独特の臭気が・・・・。後味に甘味がありおいしいのですがふつうの珈琲とは何か違います。
種明かしされた事実とは・・・・・・ 実はうんこだったのです。
野生の麝香猫は本当に上質の珈琲豆を見つける名人で、それを食べます。すると消化するのは外皮だけで、残りは糞として排泄されます。それを集めてきてきれいに洗ってできあがったとのこと。
猫のおなかの中にいる間にいい塩梅に「熟成」するらしいのですが、それは一般的にはうんこになりかかっているというのでは・・・
中華料理にも蝙蝠に蚊を食べさせてその糞から目玉だけを集めるという超高級食材がありますが、同じ発想のようです。

というわけで大変珍味でした。「青年」ごちそうさま!

珈琲の湯気の形や猫の恋