櫻桃庵はわが弊屋のことです。小さな庭に植えた苗木がいつの間にか大きくなりました。俳句や本や映画や友達のことなんかをぽつぽつ書く日記です。 2007年から2010年までmixiに引っ越していたため更新できておりませんでしたが、此方も少しずつ書いていきます。

2007年6月7日木曜日

映画 「恋の門」

羽生生純の漫画を松尾ズスキが初監督で2004年に作った映画です。
今はDVDになっています。
松田龍平が自然にハチャメチャでとてもよい。「松田優作の息子」から自由になっています。あまりマッチョな役も風貌から期待される陰影のある役柄も周囲の期待が大きすぎて気負いが出ていたような気がしますがこれはひょっとしたら地キャラか?と疑うばかりです。

石に描く漫画作家である松田龍平扮する「門」が恋人を賭けて新人賞に挑むという単純なストーリーですが、随所にある漫画的ギャグに実写の疾走感が加わり役者同士のセッションが繰り広げられます。
松田スズキもライバル役を怪演しています。

松田スズキ氏は良くわかんない役者だと思ってましたが良い意味で良くわかんない監督としても注目株です。最近更改された、漱石の小説を基にしたユメ十夜というオムニバスの一つを担当しています。

出色だったのは恋人の母親役の大竹しのぶがメーテルのコスブレで出てくるのですが、私には識別できないくらい跡形もなく化けていて、キャスティングを見ないと分からないところです。これも監督のコダワリか?

2007年6月3日日曜日

映画 「しゃべれどもしゃべれども」

芸術点は問題にしないで落語好き、八千草薫好き、国分太一好きには楽しめる映画でした。
テーマは「教えることを通じた青年の成長」で誠にありきたりです。
暗い女といじめられっ子、リストラオヤジといった生徒のパターンも普通ですが、それなりにうまくまとまっています。原作のちからかもしれません
師匠のコピーは上手だが自分の芸になっていない、いまいち皮の剥けない二つ目噺家を国分太一が好演しています。 こういう好青年はぴったりですねえ。
「火焔太鼓」を太一君が演るのですが、最初の駄目な所からだんだん上手くなってきます。ネタ数さえ絞れば噺家になれそうな気がします。 八千草薫さんの「まんじゅう怖い」もしみじみとした味があります。
ロケ地は、私やラグタイム常連各位には非常になじみのある、市谷の釣堀、神楽坂の毘沙門天、赤城神社、飯田橋の焼トン屋など。

しゃべれどもしゃべれどもまた熱帯夜

BOBY


『1968年6月5日、ロバート・F・ケネディ暗殺。事件16時間前、LAアンバサダー・ホテルには様々な想いの22人の人間たちがいた。世界の運命が変わるとき、彼らは何を見たのか。』これが宣伝用コピーでした、麻薬、人種問題、ベトナム戦争、雇用問題なんかをテンコ盛りにし、当時の世相と人間模様を描いています。

ロバート・F・ケネディという人はアメリカ国民にとって星のような存在だったのでしょうか?彼が大統領になっていたら世界は変わっていたのでしょうか?日本人のさらにノンポリでやや遅れている世代の私にはあまり共感が持てる映画ではありませんでした。

出口のない問題を抱えていた国にとってのカタルシスとして期待されていて、むしろ死んじゃったから映画になるんだろうなあという意地悪な観かたをしてしまいました。

ケネディ家の協力もかなりあった映画らしいですが、そろそろまた大統領候補が・・・・・


確かにキャスティングは一杯集めたなあとおもいます。その点は「有頂天ホテル」を凌駕しています。

アンソニーホプキンスがコンシェルジェ役ですが、「日の名残り」の執事が転職したかのようにシブかったです。