櫻桃庵はわが弊屋のことです。小さな庭に植えた苗木がいつの間にか大きくなりました。俳句や本や映画や友達のことなんかをぽつぽつ書く日記です。 2007年から2010年までmixiに引っ越していたため更新できておりませんでしたが、此方も少しずつ書いていきます。

2007年2月11日日曜日

初めての俳句

凍星に沈みて吾の一人かな

これが生まれて初めて作った句です。稚拙な句なりに愛しています。
入門書を買って「どうも季語というのもが必要だ」「その季節にあった自然を織り込んだ句を作るべし」「旧かなで作るのが普通」というところまで読んで、乱暴にも「とにかく作ろう」と思いました。このテンションのあがっているときに何かしないとすぐ醒めるのは経験的に知っている自分の性格であります。

その日の帰り、いつものように深夜の駅をでて、人気の絶えた畑道を「なんかつくるぞ」とぶつぶつ繰り返しながら自転車を転がしていました。 ふと見上げると田舎だけあって満天の星空が見えます。いつもは下を向いてキコキコ漕いでいるので気付きもしないのですが、このときは「都心では見れんなあ」と感心した気分になったわけです。それも寒くて空気が澄んでいるのでコントラストばっちり。何か夜の空が大きな湖で自分が底に蠢いているミジンコのような気がしてきました。たぶん無意識に句の材料を探していたのでそんな題材にも少しの感動を覚えたのかもしれません。とりあえずその状況を「星の海の底でおいらはさびしいな」とかいいながら17文字にはめこもうと片手運転をしながら指折り数えて家までたどりつきました。
夜食の柿ピーをたべながら歳時記の冬の項をめくり、それらしい季語をさがすと星に関連するものが結構あります。「凍星」・・・なんかいい感じだなあ。(いてぼしとは読めずトウセイ?なんておもっていたのですが・・・)あとは適当に並べ替えて、かな使いを直して、「さびしいな」を「孤独」とか「独り」とか入れ替えて最後に「かな」をつけておしまい。
うん!できたじゃん。・・・とこのようにかなりイージーに出来上がった句であります。「あ、星がきれいだ」「おれはこんな田舎道を夜中に歩いていてさみしいなあ」という気分がとにかく詩になったのだから良しとしました。

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