櫻桃庵はわが弊屋のことです。小さな庭に植えた苗木がいつの間にか大きくなりました。俳句や本や映画や友達のことなんかをぽつぽつ書く日記です。 2007年から2010年までmixiに引っ越していたため更新できておりませんでしたが、此方も少しずつ書いていきます。

2007年3月30日金曜日

ゴリ寄席 (金原亭馬治 隅田川馬石 )

船橋の歌声喫茶にゴリという店があり月に一回落語ライブをやっています。
今回は金原亭馬治(二つ目)さんと隅田川馬石(真打)さんの二人のライブであります。

演目は 馬治:鰻屋 井戸の茶碗 馬石:妾馬(八五郎出世)

はじめ馬治さんは鰻屋だけで終了のはずだったのですが、馬石さんが遅刻すると思ってもう一席伺ってくれたのです。しかし大ネタの井戸の茶碗をはじめた途端に馬石さんが現れるというというタイミングの悪さで大急ぎの一席となってしまいました。こんなハプニングも楽しいものです。
若いですが噺がしっかりしていて鰻屋の景も見えますし、難しい井戸の茶碗の演じ分けもよかったです。芸が明るいのもよいですねえ。

隅田川馬石師匠は新真打で二つ目時代は五街道佐助さんといった方です。
この名前は由緒正しいもので、初代金原亭馬生がその後十傑といわれた弟子のひとりの名前なまえを考えながら吾妻橋のあたりに来たときに馬を止める石があって、その向こうに隅田川が見えたという由来です。よく聞くとばかばかしい話ですが、昭和の大名人古今亭志ん生も一ヶ月だけ名乗っていた名前らしいです。この馬石さんは四代目になります。

妾馬は殿様のお手がついてお世取りを生んだ妹の縁で遊び人の八五郎がお城に招かれて殿様にお目通りして酒を飲ましてもらうという噺なのですが、馬石さんは実に丁寧にディティールまで演じてくれました。

最近の噺家さんは昔の人に比べると実に上手いです。良く研究していて先輩の録音も豊富にあって恵まれた環境にあります。リアリティは江戸の長屋に住んでいる訳じゃないし、廓にも行かないので昔の人にはかないませんが、それを補って現代の空気をもった新しい古典を発展させていって欲しいものですしきっとできると考えています。いわゆる新作も百年も経てばしっかりと古典になるのです。

強東風や名跡継いだ漢にも

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